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准保育士制度の導入に伴う危うさ

育児経験のある主婦が3か月間の講習を受けて保育現場で働くお仕事に携わるのが凖保育士です。
凖保育士制度は近年の慢性的な保育士不足を緩和するために導入が検討されている制度で、まだ実際に施行されているわけではありません。
准保育士は、国家資格の保育士と異なり、子育ての経験があれば取得しやすくなる民間資格となる。主婦層の働く機会を増やすとともに、待機児童の削減や保育所の保育の質を高めることが目的です。

凖保育士制度導入に伴う問題

保育の質低下の懸念

凖保育士制度を取り入れることは良い事のように感じられますが、実際の所は現役で働いている保育士や子育て中の保護者達による凖保育士導入反対という意見により、導入は保留となっています。
反対意見としての理由は「給与の安い凖保育士を導入することにより、保育の質が下がる可能性がある」ということ。
凖保育士の給与を下げるのではなく、現役の保育士の給与を上げる方向に働きかけることは現状では難しいようです。

保育士との仕事の線引きが難しい

そもそも保育士免許は国家試験のため合格率が10~20%ととても少なく、難しい試験です。
それに比べて、凖保育士は民間試験扱いとなり格段に取得の難易度が下がることや、実際に保育現場で働く事になった際に資格がある為保育士と凖保育士の線引きや仕事内容の違いに区別をつけることが難しくなるという懸念があります。
また、子育て=保育というわけではなく、誰もが簡単に保育士のようなものになれてしまうことにも疑問が残るという声が挙げられています。

保育補助と凖保育士の違い

保育補助は保育士資格がなくても働くことができる仕事で、主に保育園の清掃や準備、直接的ではない保育のアシストをおこなう仕事です。
凖保育士は保育士と保育アシスタントの中間のような位置になりますが、正直な所どこまでという線引きがとても難しいのが現状です。
保育補助はパートのアルバイト扱いですが凖保育士は社員登用となる為給与面でもどの程度の差があるのか、また、簡単な試験に合格しただけで、保育士と同じように保育の仕事に携わってほしくないといった意見もあります。

今後保育士の負担を減らすために

実際問題として、保育士の負担を減らすためには、保育士免許を取得している潜在保育士の数を増やし保育士になりたいと考える方を増やすことが必要です。
そのためにも、凖保育士という中途半端な制度で人員だけを確保するのではなく、現状の保育士の給与や出勤体制には見直しが必要なところまで来ているように感じます。